90db難聴の23歳が選ぶ補聴器
聴覚障害
2019/01/20
こんにちは
あき@Akii0205です
4月から過ごす東京での新生活に合わせて補聴器を新調することになりました
今回は普通の補聴器ではなく、数ある補聴器の中でも一番高い価格帯の補聴器である、
Oticon Opn
GN Resound Quattro
の2つを比較しました
それぞれの特徴と、それぞれ試聴してみて感じた良いところ、イマイチなところを紹介していきたいと思います!
なぜこの2つなのか?
私は今まで Phonak の補聴器を使っていましたが、この2つが Phonak の音に近いんじゃないか、ということを小さい頃から耳の面倒を見てもらっている人に言われていたので、この2つにしました
そもそも、イヤホンのメーカーによって音の違いがあるように、補聴器もメーカーによって音をどう耳に入れていくかというコンセプトは違ってきます 当然、人によって音の好みが分かれるので、私がこの補聴器を選んだからと行って万人におすすめできるわけではありませんが、参考程度にしてもらえたら幸いです
また、私は感音性難聴で、人と関わることが多く、そして最先端の技術にたくさん触れたいと思う人間なので、この2つは数ある補聴器の中でも最先端の技術を搭載していると思ったのでこれらを検討しました!
もちろん人によって補聴器に何を求めるか違うと思いますし、感音性難聴か伝音性難聴かによっても補聴器に求める機能はだいぶ変わってくると思います
感音性難聴と伝音性難聴についての簡単な説明はこちらに 聴覚障害について知っておいて欲しいこと
より詳しく知りたい方は Oticon の説明がわかりやすいのでこちらへ
Oticon Opn の特徴
https://www.oticon.co.jp/solutions/main/opn
ホームページに書いてあることを引用しますが、Oticon は「人は脳で聞いている」という考え方を持っています。
ほとんどの人は、聞くということは、耳で起こっていることだと考えていますが、実際はそうではなく、聴くということは耳と脳の聴く働きを担う部分で起こることです。
難聴だと、脳に届く音の情報量が少なくなります。 脳は音が持つ意味を理解しようとして、聞こえない部分を補完しようとし、脳を一層働かせますが、これが疲れに繋がります。
Oticon は、その脳の認知的な負担を軽減しよう!というコンセプトで補聴器を作っています。
…とのことですので、私はこの考え方にすごく共感しました。
Oticon Opn は未来のライフスタイルを実現する先進のデジタル補聴器と言われており、様々な技術がこの Opn には詰め込まれているのですが、一つ一つ説明すると長くなるので、詳しくはホームページを御覧ください!
GNResound Quattro の特徴
GNResound(以下リサウンド)は「自然な聞き取りの体験」ができる補聴器づくりをしているそうです。
自然な聞き取りの体験とは、どういうことかというと、
自分の周りで起こっていることに気付き、適応し、自分が聴きたいことに集中でき、無理せず会話についていくことができ、他の音に注意を移すことができるということ
…らしいです。
私は生まれつき難聴なので、本当の音がどうなっているのか知りませんが、リサウンドはより人間の耳に近い音が聞こえるみたいですね。
ちなみにどちらもデンマークの会社になります
私がつけていた Phonak はスイスのメーカーですね
Otion の良いところ/イマイチなところ
Oticon を試聴してみて感じたのは、コンセプト通り脳に優しいように作られているのかな、ということです
まぁなんとなくですが笑
最初に試聴をお願いした時はタイプを Opn1 とお願いしただけで耳掛けタイプの補聴器になりましたが、後にリサウンドを試聴した後にもう一度違うタイプである、ミニ RITE の Opn1 を視聴しました
良いところ
- デザイン、色がおしゃれ!(好みの問題ですが)
- IFTTT というサービスと連携できる
- HearingFitness という機能で補聴器の使用時間と各モードの使用時間が分析できる
- Oticon ON というアプリで一つ一つの操作が簡単
- 補聴器単体でも様々な操作が可能
- iPhone と連携して常につながっているため、電話や音楽が常に楽しめる
- 周辺機器のコネクトクリップを使えば Android, タブレット、パソコンなどの機器と連携してストリーミングができる
良いところに関しては上記の通りなのですが、
まぁ人によっては別にいらない機能だったり、よくわからない機能ばかりです笑
かなり IT リテラシーが高い人向けの補聴器なのかなと思いますが、使いこなすことができればかなり色々なことができたりします
IFTTT というサービスは、"レシピ"と呼ばれる手順を設定することで、対応するアプリやインターネット上のサービスを、ピタゴラ装置的に連結して実行できるのが特徴
この IFTTT を使うと、以下のようなことができたりします
- カレンダーに登録してあるイベントの 15 分前に補聴器で通知を鳴らす
- (IoT 対応の)ドアベルを誰かが押したら予め設定してある読み上げテキストを補聴器で読み上げる
- 補聴器のバッテリーが切れそうになったら誰か(家族やケアマネージャーなど)に知らせる
- 朝起きて補聴器のスイッチを入れたら家の照明や空調の設定を“朝モード”に変える
- 音声命令でテレビをつけると部屋の照明を暗くし、補聴器にテレビ音声をストリーミングさせる
などなどです
これらの機能を使うにはまた別のデバイスを用意する必要があったりしますが、こういうこともできてしまうという一例です
周辺機器に関しても、
iPhone は直接補聴器と繋がりますが、それ以外の Android やパソコン、Bluetooth 対応の機器から音を補聴器に届けたい場合は、コネクトクリップというものを使えば飛ばすことができます。
また、私はピアノが趣味でキーボードでよく練習するのですが、キーボードには Bluetooth がついていません。(ついているキーボードもありますが、高いので買えません笑)
そのため、以下の TV アダプターという周辺機器を使えば、有線で機器とつなぐことで、ワイヤレスで補聴器に音を飛ばすことができます。
正直、こんなテレビ専用の通信機器を作るよりも、Oticon コネクトクリップを有線対応すればいいだけの話な気がするけど、
利権が絡んでるでしょうかね笑
イマイチなところ
- 充電式電池は一日 15,6 時間しか持たない
- テレコイルと充電式電池は両立できない
イマイチなところに関しては、私は充電式電池に不満があるということぐらいなので、Oticon そのものに関しては特にないですね
Oticon を含む多くの充電式電池はZetPowerという他社の製品を使って充電することができるようになっていますが、正直あともう少し良ければ…!という感想です。
何がもう少し良ければ、なのかというと、
こういった小さな充電器に、寝る前に置いておけば次の日には充電完了ということですが、正直、私の使い方ではだめでした
というのは、私は結構音楽を聴く人間で、かなりの割合でストリーミング再生、つまり、ワイヤレス 通信を頻繁に行っているので、バッテリーの消耗が普通よりも激しいのです
そのため、15, 16 時間持つところを、11~12 時間ほどしか持たなかったことが多かったので、ワイヤレス通信を頻繁に行うと通常の 2/3 前後ほどしかもたない印象です
今回はOpn の耳掛け型とミニ RITEという種類を試聴しましたが、テレコイルが入ったミニ RITE-T の方には充電式電池をつけることはできないのでどちらも欲しい!ということはできないのですね…
あと、ミニ RITE にはロイヤルブルーという渋い色が選択できるのですが、ミニ RITE-T と耳掛け型にはそのロイヤルブルーが選択できないので、色々残念なところです
ただ、個人的には Oticon の音は、すごく好きで聞き取りやすいです!
GNResound Quattro の良いところ/イマイチなところ
はじめにリサウンドを着けた時に思ったのは、音が小さいんじゃないか?という違和感でした
でもそうではなく、リサウンドの特徴で説明したように、リサウンドは必要とする音だけを聞き取ろうとするので、極力周りの環境音を抑えようとしている感じがしました そして着けているうちに、今まで聞いていた人間の声や聴きたい音は確かに聞き取れているなと感じました
Oticon の方はどちらかというと、できるだけすべての音を聞き取り、音を楽しもう!という感じなので様々な音が違和感なく聞こえてくる感じでした
良いところ
- カラバリが多い!(が、デザインは個人的に好みじゃない笑)
- 自社開発の充電式電池で長持ち
- 充電器自体もバッテリーになっている
- 音質がいい(?)
- 店頭に行かなくても、プログラムの簡単な変更ができる
- Smart 3D というアプリで一つ一つの操作が簡単に行える
- このアプリでノイズの抑制、高温域/中音域/低音域の大きさ設定などができる
- iPhone と連携して常につながっているため、電話や音楽が常に楽しめる
- 周辺機器の携帯ユナイト Ⅱ を使えば Android, タブレット、パソコンなどの機器と連携してストリーミングができる(公式では非推奨?)
リサウンドの良いところは、なんといっても音質と充電器だと思います。
リサウンドは他の補聴器メーカーに先駆けて自社で充電式電池と充電器を開発し、かなり長いバッテリーを誇ります。
通常仕様で 30 時間ですから、私がストリーミング再生をガンガンに使っていても、バッテリーの残量が少ないときに出る、警告音が出たことはありませんでした。
しかも充電時間は長くても 3 時間でフル充電ができるという圧倒的技術です。
また、以下の写真のような充電器があり、旅行や出張に行ったとしても 2, 3 日程度なら、特に外部電源を必要としないので、充電のためにモバイルバッテリーや AC アダプターを用意するといったことは必要ありません。
これは充電式なので、電池がなくなったときに空気式電池に替える、ということはできませんが、空気式電池のタイプもあります。(これだけ充電が持つならそんなことないと思いますが)
充電端子は micro-USB です。
音質に関しても、リサウンドは GN グループの傘下で、GN ネットコムという他の傘下があり、Bluetooth ヘッドセットのシェアがすごい会社の技術を使っているので、今まで使っていた Phonak のワイヤレスよりもよく聴こえる!(ような気がします)
また、リサウンドは世界で初めて Made for iPhone に対応し、iPhone 単体で電話や音楽ストリーミングなどの連携がしやすいです。
イマイチなところ
- プログラム変更は煩わしいし、音が長い
- 補聴器単体でミュートにはできない(アプリに頼るしかない)
- イヤホンのカナルが小さいので、鼓膜の方に近づけようと中に入れるが、慣れるまでは痛い
- 風切り音抑制やノイズ抑制、各プログラムの機能効果の恩恵は人による?
- テレコイルがない(?)
イマイチなところに関してですが、
色々細かな機能があり、風切り音抑制や状況に応じたプログラムに変更することで快適な音を聴くことができるといいます、が、
個人的にはあまり違いを感じませんでした。
私は自転車によく乗るのですが、風切り音抑制に至っては風切り音抑制を MAX にしても、風切り音しかしないという状況でした笑
また、音(音質ではない)に関しても、聴き取りたい音だけを聞き取ろうとするのはいいのですが、あまり会話がスムーズに行えなかった、話していて疲れる、というのが率直な印象です。
耳にいれるカナルが、調整をしてもらうも、結構痛くて結構ハウンリングしていました。
ただ、これは型を採ってイヤーモールドにしたら話はまた違うのかなとは思います。
テレコイルに関しても、表記がなかったのと、色々調べてみてもテレコイルについては触れていなかったので、搭載していないのかな、と思いました。
実際テレコイルを使う場面がそんなあるわけでもないのですが、海外ではテレコイル対応の場所が結構あるので…
周辺機器に関しては、Oticon の方は周辺機器も快く貸していただけましたが、GN Resound の方は違う店舗で貸し出ししたので、携帯ユナイト Ⅱ のみ店頭で確認しました。
有線による機器接続と補聴器とのワイヤレス通信についてはわかりません。
まとめ
どちらも素晴らしい補聴器で、それぞれにしかない特徴や機能があります。
ただ、Oticon とリサウンドを試聴して比較すると、音の性質が全然違うことがわかりました。
小さい頃から面倒見てもらっている先生が、Phonak に似てるというものの、やはり自分で試聴してみないことにはわからないと思いました。
Oticon の方が Phonak に近いのか、聴き取りやすい感じがし、リサウンドの方は、会話していても聞き返すことが Oticon を着けているときに比べて結構多かったので、リサウンドは私の耳に合っていないんじゃないかなと思いました。
以上の観点から、私は今後Oticon Opnにしていくと思います!
Oticon は充電に関しては弱いです。
充電式電池の一式を購入しても、充電が一日持たないので結局空気電池を使用することを考えると、最初から空気電池のみ使用していく方がいいと思いました。
もちろんあくまで私の使用状況においては、という話です。
ですが、いちばん大事なのは、聴き取りがしやすいかどうか、という点なので、今回は Oticon を選びましたが、充電に関してはリサウンドが何枚も上手ですが、ゆくゆくはリサウンドのように、自社開発でワイヤレスを連続使用しても 20 時間ぐらいは持つような充電式電池を開発してほしいな、という期待をしております。
Oticon, リサウンドについてのレビューは海外のレビューばかりなので、少しでも参考になれば幸いです。
以下 参考サイト
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